中期経営計画

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中期経営計画(2027) ~絆を育み、輝く未来を~

財務戦略

PBR1倍の達成に向け最大限努力します

取締役常務執行役員
コーポレートセンター担当
兼 サステナビリティ委員⾧

田中 祥友

ROEとPERの上昇が最大の課題であると受け止めています

2025年から新たに中期経営計画(2027)(以下、当中計)がスタートしました。中期経営計画(2024)(以下、前中計)で目標とした2024年の売上高840億円、営業利益62億円は未達に終わり、売上高は811億9千万円、営業利益は45億6千万円となりました。その結果、調整後ROEも目標を大きく下回る5.6%となりました。
これは、2024年に計画していた大型液晶ディスプレイ向け光学アクリルフィルムの新ラインの稼働が1年近く遅れたためです。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券と固定資産の売却による特別利益を計上したことで、43億5千万円となり、2年連続で過去最高益を更新しました。また、前中計期間中の設備投資額230億円についてはほぼ実行できました。
財務面では、「PBR1倍割れの改善」と「資本コストと株価を意識した経営」に対応すべく①資本構成バランスの最適化・政策保有株式の縮減、②安定的な配当及び配当性向の更なる向上、③自己株式取得の検討に取り組みました。
まず、政策保有株式の縮減に向けて、地方銀行との株式持ち合いを半減させたほか、事業会社数社との持ち合いも解消しております。また、PER水準が低く抑えられていることから、「DOE3%以上」を追加した株主還元方針の変更と期末配当の増配を発表しました。また保有株式売却で得た資金を活用し、2024年8月から自己株式取得を実施しており、2025年6月までに取得総額で25億円、取得株式数で120万株を上限に市場から取得しました。
これらの施策により株価は一定の上昇を見せましたが、目標とするPBR1倍以上は達成できていません。PBRは「ROEとPERの掛け算」であり、ROEとPERの上昇が、当中計における財務戦略の最大課題であると認識しています。

資本コストを上回る利益の創出を目指します

こうした課題認識のもと当中計では、売上高930億円、営業利益70億円の達成を目指します。CAPM(資本資産評価モデル)による当社の資本コストは7.0~8.0%と試算しており、それを上回るROEの達成が必要と考え、目標として調整後ROE7.5%を掲げています。財務戦略の役割は、必要な資金を低コストで調達し、資本コストを上回る利益を生み出すことです。
資本効率の向上に関しては、更なる政策保有株式の売却を予定しています。当中計期間中の配当は60~70億円を予定しています。利益が予測を上回った場合は自己資本が膨れてしまうため、当中計期間中はDOE3.0%に特別配当0.5%分を上乗せしDOE3.5%以上としています。
2026年10月には東京証券取引所による「TOPIX銘柄の見直し・入れ替え」が予定されており、当社がTOPIX連動のパッシブ運用対象から除外されることを大きなリスクとして認識しています。当社株式の浮動株比率を大きく向上させるのは難しいため、「株価上昇」に最大限の努力を図る必要があると考えています。

「絆」を育み、企業価値の向上を目指します

計画した財務戦略を実行するには、ステークホルダーとの確固たる信頼関係の構築、すなわち「絆」が重要です。そのためには、各ステークホルダーとWin-Winの関係性を構築することが欠かせません。
まずは投資家様との対話を重視し、これまで以上に当社の成長戦略をご理解いただくとともに、その価値観に耳を傾けることで株価の上昇に繋げ、財務戦略の幅を広げていきます。従業員に対しては、2023年の会社設立75周年を記念し、従業員持株会を通じて従業員一人につき自社株75株を付与しました。その結果、持株会の入会率は90%近くまで高まりました。従業員の資産形成に大きなプラスとなるだけでなく、自社株を持つことで自社の成長に貢献する意識が強まると考えています。また、金融機関に対しては、より有利な条件での資金調達や企業価値向上への施策が可能となるよう、情報交換を密にします。

投資家様とのエンゲージメントを高める取組みを強化します

前中計期間中のIR活動としては、機関投資家とのラージミーティングや個別ミーティングを活発に行ってきました。今年には、個人投資家向けのIRと機関投資家の議決権行使担当者とのミーティングであるSR(Shareholder Relations)を実施しました。これらの取組みを継続し、当社の成長戦略への理解をより深めたいと考えています。
また、これらの活動を通じて得られる株主様、機関投資家様の価値観を取締役会にフィードバックすることで、「コーポレート・ガバナンス改革」「資本コストや株価を意識した経営」「企業価値向上に向けたESG活動」を加速していきます。

株価、PBR推移

株価、PBR推移

事業戦略

合成樹脂事業

環境と未来に応える機能性樹脂ソリューションで、持続可能な社会とSDGsの達成に貢献する

業績

パッケージ関連では、地球環境保全に対する意識の高まりを背景に環境対応アイテムが堅調に推移し、また、プロセスフィルムにおいても光学・半導体用途が市場の回復に伴って好調に推移しました。一方、農業用マルチフィルムにおいては環境対応アイテムの拡大に努めましたが市場は低位に推移しており前年水準には及びませんでした。この結果、売上高は518億6千1百万円(前年同期比1.7%増)となりました。営業利益は不採算製品の整理や生産体制の改善による生産性の向上などがコスト削減に寄与し、44億5千5百万円(前年同期比7.5%増)となりました。

売上高

合成樹脂事業売上高

営業利益

合成樹脂事業営業利益

リスクと機会

社会課題

  • 環境問題

    • 気候変動対策

    • 資源循環(リサイクル・リユース)

  • 人口問題

    • 少子高齢化

    • 食料供給の確保

  • エネルギー問題

    • 再生可能エネルギー技術の開発

    • 低炭素技術の普及

大倉工業グループの提供する価値

  • リサイクル技術や低環境負荷製品によるCO2排出量の削減

  • 自動・省人化及びコスト低減に繋がる新たな包装形態の提供

  • 材料設計技術や多層化技術によるプロセス機能材料の提供
    (モビリティ・EV関連部品の高度な要求に対応)

商品紹介環境対応ごみ袋

私たちの社会は、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行を受け、3R(Reduce、Reuse、Recycle)が当たり前となる未来に向かっています。この流れのなかで、当社ではフィルム加工技術を駆使し、不要となったプラスチックを再生し、ごみ袋として生まれ変わらせています。この取組みは、多くの自治体から「環境負荷の軽減」と「高品質な製品提供」という点でご賛同いただいており、採用に向けた活動を推進しています。
限りある資源を有効活用し、持続可能な未来を築くため、私たちはこれからも再生ごみ袋を通じて皆さまと共に歩んでいきます。

「OKURA」の環境対応ごみ袋のリサイクル

ごみ袋リサイクルフロー

中期経営計画(2027)達成に向けて

中期経営計画(2024)の振返り

中期経営計画(2024)では、「地球環境に貢献する製品開発、拡大」「社会貢献できる機能製品開発」「実現に必要な川下サービス機能強化」の3つを重点施策として掲げ、「環境対応」「プロセス機能材料」「自動・省人化」「新領域」を注力分野と定め、経営資源を集中しました。
環境対応分野では、バイオマスプラスチックやリサイクル材料を活用した製品を拡大し、次世代型フィルムの開発・販売に取り組みました。しかし、リサイクル関連製品や生分解性プラスチック製品については、一部進捗が遅れる結果となりました。プロセス機能材料分野では、EV関連製品や住空間向け製品が成長した一方で、電子材料用は市況悪化や競争激化の影響を受けました。また、自動・省人化や新領域への展開においては、川下サービス機能の強化に取り組んだものの、販売拡大については十分な成果を得るには至りませんでした。
しかしながら、原材料価格の高騰や市況悪化といった厳しい環境下においても、製品価格の改定や生産効率化、付加価値製品の拡販を進めた結果、収益力の改善に努めることができました。最終年である2024年には市場回復の追い風を受け、成長分野で一定の成果を収めることができました。これらの成果を通じて、経営ビジョン「Next10(2030)」の実現に向けた基盤を構築することができました。

中期経営計画(2024)達成に向けた取組み

中期経営計画(2027)では、国内市場構造の変化、省資源化・脱プラスチック化の加速、モビリティ分野での技術革新など、当事業を取り巻く環境の変化に対応しながら、持続的な成長を目指します。特に、「モビリティ」「電子材料」「半導体」「電池」を注力領域に定め、積極的な投資と事業拡大に取り組みます。また、包装コスト削減と環境負荷軽減を両立する環境貢献製品の拡大や、OKURA VIETNAM CO., LTD.を活用した海外販売の強化も進めていきます。
プロセスマテリアルBUでは、業界ニーズに密着した機能性部材の提供に注力し、ライフ&パッケージBUでは、新たな包装ソリューションを提案する体制への進化を目指します。ベーシックマテリアルBUでは、成長市場における包装材料の供給を強化し、アグリマテリアルBUでは、国内シェアの更なる拡大と輸入品に対抗する競争力の強化を目指します。
これらの戦略を実現するため、注力領域ごとの専門チームの設置、外部人材や海外専門部隊の活用、アライアンスの強化などの具体的な施策を推進します。当社の不足資源を補完しつつ事業領域を拡大し、Next10(2030)の達成に向けて取組みを加速していきます。

中期経営計画(2027)達成へのプロセス

2025年目標

  • トータルリサイクルスキームにおけるマスバランス方式「CO2クレジット」の導入
  • プロセス機能材料で「モビリティ」「電子材料」「半導体」「電池」分野への注力強化
  • 海外ビジネス・事業推進の強化

2026年目標

  • 環境機能性製品及び資源循環型クローズドリサイクル製品の拡充
  • 輸出・輸入製品のラインアップの拡充
  • 包装コスト削減と環境負荷軽減を両立する環境貢献製品の拡充

2027年目標

  • 労働集約型製品の海外製造拠点への移管
  • 付加価値の高いモビリティ向け製品の拡充
  • アグリ製品の加工事業の拡大
TOPICS海外事業推進部の発足

中期経営計画(2027)では、「海外」を重要テーマに掲げています。この方針を実現するため、新たに「海外事業推進部」を発足しました。本部門は、製品の輸出入、海外原料の調達、海外生産拠点の活用を中心とした事業を実行するため、専門性と実行力を兼ね備えた組織として設計されています。
さらに、これらの分野で豊富な経験を持つ外部人材を積極的に採用し、多様な視点と知識を取り入れることで、グローバル市場における競争力を強化していきます。急速に変化する世界経済や地域特有のニーズに柔軟に対応しながら、持続可能な成長を目指す当社の基盤構築を進めていきます。
この新組織を通じて、多様化する市場の機会を確実に捉え、海外事業の展開を更に加速させていきます。

新規材料事業

ICTデバイスに必要不可欠な光学機能性フィルム及びライフサイエンス分野への機能性部材提供により、ICT産業の発展・スマート社会の実現・健やかで快適な暮らしの実現に貢献する

業績

自動車用途などの機能材料が低調に推移したものの、中小型パネル用途の光学フィルムの需要が増加したことにより、売上高は146億1千1百万円(前年同期比6.7%増)となりました。営業利益は新工場の品質安定化に時間を要し、それに伴う費用が増加したことなどにより、12億4千7百万円(前年同期比32.7%減)となりました。

売上高

新規材料事業売上高

営業利益

新規材料事業営業利益

リスクと機会

社会課題

  • ICT産業の発展によるスマート社会の実現 

  • 安心・安全なモビリティ社会の実現

  • 環境配慮型社会の実現

  • 健やかで快適な暮らしの実現

大倉工業グループの提供する価値

  • ICTデバイスに必要不可欠な光学機能性フィルム及び機能性部材の提供

  • モビリティの進化に対応した機能性フィルム及び機能性部材の提供

  • 医療・介護現場を支える機能性フィルム及びメディカル製品の提供

商品紹介IPS液晶ディスプレイ向け位相差フィルム

液晶パネルメーカー最大手のハイエンド大型液晶ディスプレイ向けに当社位相差フィルムが採用となりました。当フィルムを採用することにより、あらゆる視野角から忠実な画像を表現することができるようになります。
当フィルムの特色として、偏光子を保護する役割であった保護フィルムに屈折率制御機能を付与することで広視野角の補償があります。
採用ディスプレイのTV販売は好調に推移しており、中期経営計画(2027)の最終年である2027年には2025年比で約3倍の供給量を要請されており、生産体制強化に取り組んでいきます。

構成図

IPS液晶ディスプレイ向け位相差フィルム構成図

中期経営計画(2027)達成に向けて

中期経営計画(2024)の振返り

中期経営計画(2024)の最終年は、売上高・営業利益ともに計画数値を下回る結果となりました。主な要因として、2024年2月より稼働を開始した大型液晶ディスプレイ向け光学アクリルフィルムの品質安定化に時間と費用を要したことが挙げられます。この影響で量産開始が遅れ、収益が悪化しました。また、自動車用途の機能材料及び北米向けEV車用モーターコア接着剤の在庫調整の影響により、売上げが低調に推移したことも要因の一つです。
一方で、スマートフォンやタブレットなど中小型パネル需要が徐々に回復したことに伴い、光学機能性フィルム及び機能性部材の加工数量が増加し、販売も好調に推移しました。大型液晶ディスプレイ向け光学フィルムについては、画面サイズの大型化に伴い、当事業部の広幅光学フィルムの需要も引き続き好調に推移しました。さらに、新たな分野として次世代のICTデバイス向け製品の立ち上げを行い販売数量が増加しました。
2025年から始まる中期経営計画(2027)の目標達成に向けて、IPS液晶ディスプレイ向け位相差フィルムの開発及び顧客認定ならびに香川県より医療機器製造業の登録を受け、2025年より製造を開始できるよう生産体制を確立しました。
2023年5月に設立したOKURA VIETNAM CO., LTD.では、設備の導入・据付及び現地採用者の育成を進めました。本格的な生産立ち上げに向けて、現在ベトナム国内の化学品取扱いに関するライセンスを取得中であり、製造開始時期が当初の予定より遅れる見込みです。引き続き、アジア向けの事業拡大の拠点となるように事業開始準備を進めていきます。

中期経営計画(2024)達成に向けた取組み

中期経営計画(2027)達成に向け、大型液晶ディスプレイ向け光学アクリルフィルムの新製造ラインにおいて品質の安定化を図り、顧客の認定を取得したうえで、2025年より本格的な生産を開始します。また、様々なICTデバイス向けに光学機能性フィルム及び機能性部材を提供していきます。
機能材料BUでは、ライフサイエンス分野への進出に向けて、医療用部材及び細胞培養装置用バッグの品質管理体制及び生産管理体制を構築し、製品化に取り組んでいきます。また、接着剤事業については、OKURA VIETNAM CO., LTD.にて2026年からの生産開始を目指し準備を進めています。
電子材料BUでは、スマートフォンやタブレットなどを中心とした中小型パネル市場において、貼合から裁断までの一体加工の強みを活かし、加工数量の増加に取り組んでいきます。車載パネル市場では、認定号機の拡大や自動検査装置の増強を図り、加工数量の増加を目指します。
光学材料BUでは、大型液晶ディスプレイ市場において、IPS液晶ディスプレイ向け位相差フィルムの製品拡販に取り組んでいきます。また、生産号機の集約による生産性向上や設備導入を視野に入れた生産体制の強化に取り組んでいきます。
環境配慮型社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの拡充や再生原材料を使用した製品開発に取り組んでいきます。

中期経営計画(2027)達成へのプロセス

2025年目標

  • 医療用部材の製品化及び細胞培養装置用バッグの開発及び品質保証体制の構築
  • IPS液晶ディスプレイ向け位相差フィルムの開発及び製品化
  • OKURA VIETNAM CO., LTD.の製造販売開始に向けた品質・生産管理体制の確立
  • 再生可能エネルギー(太陽光パネル)の拡充

2026年目標

  • 医療用部材製品の安定生産及び細胞培養装置用バッグの品質・生産管理体制の確立
  • IPS液晶ディスプレイ向け位相差フィルムの製品拡販
  • OKURA VIETNAM CO., LTD.での接着剤安定生産及び製品拡販
  • 環境配慮型製品(塗装代替フィルム・PFAS規制強化対応)の開発及び製品化の促進

2027年目標

  • 細胞培養装置用バッグの製品化
  • IPS液晶ディスプレイ向け位相差フィルムの製品拡販及び製造ラインの増設
  • EV自動車向けバッテリーモジュール用接着剤の製品化
  • 環境配慮型製品(塗装代替フィルム)の量産体制の確立
  • サーキュラーエコノミーの実現に向けた開発及び製品化
TOPICSWebマーケティングサイトの開設

2024年12月に新規材料事業部の新たなWebマーケティングサイトを開設しました。
当サイトは、製品の紹介にとどまらず、当事業部が持つ高度な加工技術や柔軟な対応力を広く発信することで、新規顧客の獲得や営業活動の効率化に繋げることを目的としています。
公開後は、当事業部を初めて知ったお客様や、当社の加工技術に興味をお持ちいただいたお客様から、多くのお問い合わせをいただいています。今後も、より多くの方々に当事業部の魅力をお伝えできるよう、サイトの改良を重ね、新規案件の獲得に取り組んでいきます。

新規材料事業部Webマーケティングサイト 新規材料事業部WebマーケティングサイトQRコード

建材事業

事業拡大による新たな価値の創出~木材と技術を最大限に利活用し事業拡大、脱炭素社会を実現~

業績

基盤事業のパーティクルボードでは、安定生産の継続ときめ細かな営業活動により販売数量が堅調に推移しました。また、木材加工事業は住宅着工戸数の減少による影響で上期は落ち込んだものの、下期にかけて非住宅の受注が増加したことで、売上高は128億5千9百万円(前年同期比2.0%増)となりました。営業利益は売上高の増加に加えて、パーティクルボードの生産性向上など原価低減を進めたことにより、9億4千5百万円(前年同期比5.0%増)となりました。

売上高

新規材料事業売上高

営業利益

新規材料事業営業利益

※12022年から、㈱オークラハウス、㈱オークラプレカットシステムの売上高及び営業利益を、その他関連事業から建材事業に変更。

※2㈱オークラハウスと㈱オークラプレカットシステムの売上高をその他関連事業から建材事業に変更した場合:108億9千1百万円

※3㈱オークラハウスと㈱オークラプレカットシステムの営業利益をその他関連事業から建材事業に変更した場合:5億9千1百万円

リスクと機会

社会課題

  • 低炭素社会の実現

  • カーボンニュートラルの実現

  • 少子高齢化による建設従事者の人材不足と長時間労働

大倉工業グループの提供する価値

  • パーティクルボード生産による炭素貯蔵量は、年間約183kt-CO2(2024年)。マテリアルリサイクルによって炭素を長期間貯蔵する。

  • 国産針葉樹を利用した木質建材事業を横展開。木材循環を促し炭素固定や森林循環に貢献する。

  • 素材から住宅建築までをカバーする事業領域で、省施工材料や住宅建築のシステム化の中核的役割を提供。

商品紹介四国地域材を活用したJAS製材・集成材

近年、国産材回帰への転換期を迎え、木材利用分野も拡大傾向にあります。四国地域産の木材を活用したJAS製材・集成材は、脱炭素社会の実現やカーボンニュートラルへの直接的な貢献が期待される材料です。特に、外層にヒノキ、内層にスギを適材適所で使用したハイブリッド集成材は、耐久性と安定したコストパフォーマンスを両立しています。この技術により、通常であれば横架材に適さない木材も余すことなく活用することができます。四国地域材を活用することにより、安定供給を実現するとともに、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林循環のサイクルを構築し、持続可能な森林経営に貢献します。

四国地域材を活用したJAS製材・集成材

中期経営計画(2027)達成に向けて

中期経営計画(2024)の振返り

中期経営計画(2024)の最終年は、物価高騰による消費者マインドの低下、原材料価格の高騰、物流の2024年問題など、厳しい市況で需要は縮小しました。そのなかで、パーティクルボード事業領域は、既存の住宅設備機器分野におけるシェア拡大や海外輸出品での増販により、2023年を上回る販売量を確保しました。製造では、生産性の改善やメンテナンスの充実化により安定操業を維持することができました。また、二次加工製品の販売構成比率を高めて付加価値の向上を図り、一定の成果を得ました。一方、原材料や運送費などの高騰が顕著でしたが、製品価格の転嫁、原価低減を進めたことにより、利益への影響を軽減しました。
環境資材事業領域では、環境貢献型枠「木守®」について、2023年に引き続き、ゼネコン・ディベロッパーへの積極的な販売活動を実施しました。環境配慮型製品にシフトする大手ゼネコンの全国展開への足がかりを獲得しましたが、資材価格の高騰、職人不足、製品市場の特性などにより、標準製品からの置き換えが難航しました。
住宅部材事業領域及び木材加工事業領域は、木造戸建住宅の市場が縮小するなかで、新規顧客の開拓を強化し、機能性の高い部材を提供するとともに、プレカット事業とのシナジーを発揮し、拡販の成果を得ました。
 建材事業セグメントでは、当社グループの強みである垂直連携やパートナー企業との協働を活かし、脱炭素社会に貢献する国産材事業として四国地域材を活用した集成材の製造・販売等の事業計画を開始しています。原材料の乾燥技術や木材樹種の特性分析、異樹種複合などによる集成材の設計・開発を進めており、中期経営計画(2027)での工場の稼働に向けて事業化に取り組んでいます。

中期経営計画(2024)達成に向けた取組み

中期経営計画(2027)は、事業拡大に向けて組織変更を行い、パーティクルボード事業領域を中心とした木質パネルBUと住宅部材事業領域及び木材加工事業領域を中心とした木構造BUの2つのビジネスユニット制にしています。建材事業を取り巻く市場は、新設住宅着工戸数の漸減、少子高齢化による建築従事者の減少、原材料価格の高騰など、厳しい状況に直面しています。このようななか、安定操業、市場占有率が拡大している非住宅分野への展開、付加価値製品の領域拡大により、パーティクルボード事業の更なる拡大を図ります。さらに、国産製品の競争力向上を見据え、輸入品からの切り替えによるシェアの拡大を図るとともに、国内森林資源の循環利用に貢献する木質構造材料事業を立ち上げることで、事業の拡大と脱炭素社会への貢献を実現します。
木質パネルBUでは、住宅着工戸数が減少した環境下においても、フル生産・フル販売を継続します。非住宅分野・土木分野等で事業機会を獲得し、新製品の投入と事業領域の拡大を図ります。また、当社の既存素材以外に新たな基材を活用することで、事業規模の拡大を進めます。
木構造BUでは、四国地域材JAS KD※1・EW※2事業の立ち上げを行い、木材資源による新たな価値を創出します。脱炭素社会の実現に向け、木質構造材料事業の垂直統合によるシナジーを発揮するとともに、各事業の深化を推進し、森林資源の循環利用に貢献します。

※1KD(Kiln Dry)とは、人工的に乾燥させた木材である。

※2EW(Engineering Wood)とは、複数の木材(ラミナ)を接着剤で貼り合わせて作られた木材(集成材)である。

中期経営計画(2027)達成へのプロセス

2025年目標

  • パーティクルボード事業領域
  • パーティクルボード製品の製造技術を活かしたラミネート加工品の拡大
  • 住宅部材・木材加工事業領域
  • 省施工パネルとプレカット事業のシナジー拡大
  • 四国地域材JAS KD・EW事業領域
  • 事業開始に向けた製造技術の習得、四国地域材の特性把握に基づいた製品設計の確立

2026年目標

  • パーティクルボード事業領域
  • パーティクルボードの品質優位性を活かした他社との協業による二次加工製品の拡大
  • 住宅部材・木材加工事業領域
  • 四国地域材を活用した構造材等の住宅関連部材の充実化、顧客のニーズにワンストップで対応する事業展開
  • 四国地域材JAS KD・EW事業領域
  • 2026年春の操業開始、木材加工事業を中核とした事業領域の拡大

2027年目標

  • パーティクルボード事業領域
  • 非住宅分野の販売強化による事業領域の拡大、生産工程のQCD(品質・コスト・納期)最適化による競争力強化
  • 住宅部材・木材加工事業領域
  • 特殊素材の取扱いによる非住宅木造建築物のプレカット・施工領域への進出
  • 四国地域材JAS KD・EW事業領域
  • 横架材の国産材化に取り組み、四国の森林循環を促進
TOPICS四国地域材を活用したJAS製材・集成材事業の開始に向けて

JAS製材・集成材工場の生産拠点となる三豊市高瀬町原下工業団地内において、第2期工事として進めていた集成材工場棟が竣工しました。2026年春の工場稼働に向けて、2025年は機械設備の導入と周辺施設の整備を予定しています。2024年5月には県を跨いだ全国初の協定として、香川県、徳島県及びパートナー企業であるナイス株式会社と「徳島県及び香川県産木材の利用促進に関する建築物木材利用促進協定」を締結しました。協定の締結により、サプライチェーンの強化を図るとともに、官民一体となって森林資源の循環利用に取り組んでいきます。

高瀬工場

高瀬工場

その他関連事業

ホテル事業

事業概要

オークラホテル丸亀は、最大506名の宿泊のほか、会議、宴会、食事に対応ができるスケールです。瀬戸内海に面した立地条件を活かし、パノラマいっぱいの開放感に包まれる展望風呂と瀬戸内や讃岐の食材を使用した絶品グルメで上質なホテルステイをお約束します。丸亀城はもとより、スポーツ、美術からソウルフードに至るまで豊富なコンテンツに恵まれる丸亀エリアを楽しむ行動の拠点として幅広くご利用いただいています。

ロイヤルスイートルーム

ロイヤルスイートルーム

戦略

宿泊されたお客様に満足していただくため、地産地消食材を活用した食事プランを充実します。また、外国人のお客様に快適な時間を過ごしていただくため、外国語ツールの導入などのサービスも充実していきます。中期経営計画(2027)達成に向けて、多言語に対応した周辺観光マップのデジタル化やオペレーション能力を向上し、お客様により満足していただけるよう努めていきます。

ロイヤルスイートルーム

グリーンラウンジ

TOPICS地元食材を味わえるグリーンラウンジ

グリーンラウンジは、広々として明るく、窓の外に広がる緑と海を眺めながらお食事をお楽しみいただけます。また地元の食材を活かしたランチバイキングやディナーバイキングを不定期で開催しております。シェフと板前が腕をふるった料理を多数ご用意しています。お誘い合わせのうえ、お気軽にお越しください。

グリーンラウンジ

※写真はイメージです。

情報処理システム開発事業

事業概要

オークラ情報システムは、ソフトウェア開発を中心に、ICTシステムの運用・保守及びパッケージソフトの製造・販売を行っています。ニーズを形にするためお客様に寄り添い、ICT活用でお客様の経営改善をサポートしています。当社の創り出した製品・サービスは、流通業や医療系業種へも提供しており、多くのお客様にご利用いただいています。

ロイヤルスイートルーム

戦略

様々な領域でDXを推進していきます。大倉工業グループの重点成長事業を支えるシステム構築を軸とし、安定したインフラ基盤の整備や業務の効率化・デジタル化を推し進めることで、生産性向上や競争力強化の一翼を担います。 また、既存の調剤薬局向け事業で販路拡大や基盤強化を図るとともに、当事業で培った画像処理技術やAI技術を土台に高品質でユーザーライクな製品・サービスを創り出し、新たな市場の開拓を目指します。

ロイヤルスイートルーム
TOPICS鑑査レンジ®

調剤薬局向けに調剤ミスを防ぐためのシステム「鑑査レンジ®」シリーズを販売しています。

鑑査レンジ®Packs 一包化された薬品をAI画像鑑査で一錠ずつ判別する 鑑査レンジ®R 取り揃えた薬品を独自の画像解析処理を用いて処方情報と照合する

薬剤師の負担と不安を軽減するだけでなく、患者様へ安全と安心をお届けします。

業績

ホテル事業で観光客を中心に宿泊が増加したことや情報処理システム開発事業で調剤薬局向けシステムの販売が好調に推移したことにより、その他全体の売上高は18億6千万円(前年同期比19.8%増)となりました。営業利益は売上高の増加などにより、4億9千4百万円(前年同期比8.5%増)となりました。

売上高

その他関連事業売上高

営業利益

その他関連事業営業利益

※12022年から、㈱オークラハウス、㈱オークラプレカットシステムの売上高及び営業利益を、その他関連事業から建材事業に変更。

※2㈱オークラハウスと㈱オークラプレカットシステムの売上高をその他関連事業から建材事業に変更した場合:11億7千5百万円

※3㈱オークラハウスと㈱オークラプレカットシステムの営業利益をその他関連事業から建材事業に変更した場合:1億6千6百万円

その他関連事業は、ホテル事業、情報処理システム開発事業及び不動産賃貸事業等を含む。

R&Dセンター

技術マーケティング・市場マーケティングを強化し、イノベーションを通じて新たな需要・市場を創造する

研究開発の方針

研究開発機能の強化による新製品の創出

4つの成長領域を通じて材料と技術を提供し、人々の生活をより良くすることを目指しています。
これらが密接に関わり相互に連携することで、より持続可能で便利、安全、健康的な社会の実現に向けた技術革新を進めていきます。

  • 情報電子

    電子機器や光学デバイスの性能向上に欠かせない重要な素材の開発に取り組んでいます

    LCPフィルム
    LCPフィルム
    光学フィルム(塗工/保護/他)
    タッチセンサーフィルム

  • 環境・エネルギー

    再生可能エネルギーの普及、省エネルギー技術の向上、カーボンニュートラルの実現など、多岐にわたって開発を行っています

    ペロブスカイト太陽電
    ペロブスカイト太陽電池
    各種複合部材
    モノマテリアル

  • ライフ&ヘルスケア

    人々の健康や生活の質(QOL)の向上を目指し、医療技術、バイオテクノロジー、ウェルネスなど、豊かな生活の実現に貢献しています

    シングルユースバッグ
    シングルユースバッグ
    手術支援ロボット用ドレープ
    植物抽出食品包装用フィルム

  • モビリティ

    自動車関連において、持続可能で利便性の高い移動社会の進展に寄与する開発を行っています

    自動車用天井材
    自動車用天井材
    塗装代替フィルム
    EV向け接着剤

TOPICS

フィルム型ペロブスカイト太陽電池

大倉工業は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池に関する技術開発を進めています。 ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟性があるため、従来のシリコン太陽電池では設置が難しかった建物の壁面や耐荷重の小さい屋根など、様々な場所への設置が可能とされています。このペロブスカイト太陽電池は、次世代太陽電池として、再生可能エネルギーの中でも特に注目を集めています。

展示会「CONVERTECH2025」に出展

1月29日~1月31日に東京ビッグサイトで開催された展示会「CONVERTECH2025」に出展し、ロールサンプルとペロブスカイト太陽電池で動くおもちゃの電車を展示しました。多くの来場者に興味を持っていただきました。

Roll to Roll技術の確立

R&Dセンターでは、これまでの光学フィルムの製造で培ったRoll to Roll方式による薄膜コーティング技術を活用し、技術の確立を進めています。