大倉工業株式会社

大倉工業グループの歩み

大倉工業グループの歩み

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大倉工業の存在意義

取締役相談役 髙濵 和則

雇用、環境負荷低減を通じて
地域、社会に貢献し続けます。 大倉工業は、1947年7月に、香川県高松市で産声を上げました。
以来、地域、社会と共生するために事業を通して様々な取組みを進めてきました。
取締役相談役 髙濵和則氏に、その思いと具体的な取組みについて聞きました。

  • この街に戻りたいと思ってもらえるように

     大倉工業は戦後間もない1947年7月、高松市において四国住宅株式会社を設立したことから歴史がスタートします。創業者である松田正二は、戦後の復興過程で欠かせないインフラとして住宅建設事業に着目し、「部下とその家族の生活を守るとともに、戦災で家を失った人々に必要な住宅を提供したい」という思いのもと、事業を開始し、発展に導きました。その礎となったのは、モノづくりに携わる従業員の存在です。事業の成長とともに、多くの従業員を雇用していくこととなり、それはそのまま地域の繁栄へと繋がっていきました。まさに、創業時のこの思いは、現在の「『社会から信頼される企業』であり続けるために、事業を通じて、社会との共生を念頭に企業の成長を目指す」の原点になっています。
     しかし、昨今は人材の確保が非常に困難になりつつあります。出生数の減少に加え、大学への進学率が高まったことにより、若者が地域外に出ていってしまうようになったことが大きな要因です。この課題を解決するためには、会社の給与水準を高め、働きがいのある会社にしていく努力が欠かせないことのほかに、この街に戻って働きたいと思わせる街の魅力を高めることが必要です。
     丸亀市は、全国のビジネスパーソン約2万2千人が評価した「シティブランド・ランキング -住みよい街2023-」(日経BP 総合研究所)において、中国・四国エリアで1位、全国でも19位にランキングされました。「気候が穏やか」「自然災害が少ない」「介護サービスを受けやすい」といった項目の評価が高かったそうです。ただ、住みよい街として評価を受けても、そこに働く場所がなければ戻ろうとは思いません。そこで、丸亀商工会議所は2018年から大人と子どもが一緒に休日を過ごす機会を創出しやすくするため、「丸亀市キッズウィーク」を実施しています。これは、毎年10月の第3月曜日を「丸亀こどもデー」として幼稚園、小・中学校を休みとし、大人の働き方改革の一環として年次有給休暇の取得を呼びかけて、大人と子どもの休みをマッチングすることで、一緒に過ごす機会をつくる取組みです。その休みに合わせて様々なイベントが開催されています。そのイベントの一つとして、今治造船株式会社、四国化成ホールディングス株式会社と当社の3社が幹事会社である四国家サポーターズクラブ 「丸亀にぎわいプロジェクト」主催で、地域企業の仕事を体験するイベント「ワクワク体験Kids王国in丸亀」を2022年より毎年開催しています。また、同プロジェクトが2023年に開催した「まるがめ地域活性化プランコンテスト」で高校生が発案した、高校生と地域の様々な世代の方々が交流できる多世代参加型のイベント「丸亀大文化祭」を2024年6月に開催しました。こうして、小さい頃から、また進学・就職を考えるタイミングで、更には子どもたちの親にも、自分たちの故郷に良い会社があるということを知ってもらうことで、「丸亀に戻ってこよう、丸亀で働こう」という気持ちになってもらえればと思っています。このようにして、丸亀を住みよい街にしていくためにできることを行い、地域に貢献していきたいと考えています。

  • トータルで環境負荷の低減を考える

     大倉工業グループは、事業を通じて社会課題の解決にも取り組んでいます。海洋プラスチック汚染の問題が顕在化し、脱プラスチックが声高に叫ばれるようになりましたが、高い機能性を持つプラスチックはこれからも社会に必要とされる素材だと考えています。だからこそ、プラスチック加工に関わる当社グループとしても、使用量の削減や環境負荷低減に向けて積極的に取り組んでいるところです。
     合成樹脂事業においては、同じ機能を保ちつつ素材を薄膜化することに取り組んできたほか、近年はリサイクルの取組みにも注力しています。畑の畝の表面を覆う農業用マルチフィルムは、年2回ほど回収が必要で、回収後は固形燃料にしたり、焼却して熱エネルギーとして再利用するサーマルリサイクルしたりすることが一般的でした。ところが、引き受け先だった中国や東南アジアで廃プラスチックの輸入が禁止されたことにより、廃棄フィルムは国内で滞留していました。2021年に上市した「エコカルマルチ®」は使用済みの農業用フィルムを洗浄・粉砕してペレット化し、マルチフィルム製品の原料として再利用した農業用フィルムとして初めてのマテリアルリサイクルを実現しました。このマテリアルリサイクルだけでなく、市場に出した当社グループの製品を回収してナフサなどの原料にし、新たな製品づくりに使えるようにするケミカルリサイクルの事業化に向けた研究開発も進めています。
     一方で、プラスチックは代替の利かない素材として広く普及しています。スーパーで精肉や鮮魚を販売する際に使われる食品包装用フィルムの「エコラップ®」は、バリアー性に優れ、ガス置換包装により、消費期限を延ばすことが可能です。このように食品の鮮度を長持ちさせることによりトータルで廃棄物の削減、ひいてはCO2排出量の削減に繋がる取組みも進めています。

  • 森林資源の循環利用を図っていくために

     建材事業で使う木材に関しても、パーティクルボードについては建築解体材などの木質廃材を主原料として製品化するマテリアルリサイクルを行うことにより、資源を有効活用し、循環型社会に貢献するとともに、CO2排出を抑制し、地球温暖化防止に寄与しています。また、近年の国産材回帰、木材利用分野の拡大を踏まえ、脱炭素・カーボンニュートラルに直接貢献できる事業として、森林資源循環利用による木質構造材、集成材事業への進出を決めました。香川県産材や四国地域材を活用した木質構造材料を製造するために、三豊市高瀬町の原下工業団地に新工場を建設し、プレカット工場の移設と合わせて整備を進めています。大きくなったスギやヒノキは、CO2吸収量がだんだんと減っていきます。これを伐採して森林資源として用い、新たに植林をすることでCO2吸収量を増やすことができます。また、新たに植えるスギやヒノキについては花粉の少ない苗木に植え替えることで、国民病ともいえる花粉症を抑えることにも繋がります。香川県、四国にある地域の森林資源を最大限に活用して、木質構造材の原料に変え、更にそれが解体される際にはパーティクルボードとして再利用することで、森林資源の循環利用を図っていきます。また、この新事業開始に向けた整備は、地域の雇用促進にも貢献できるものと考えています。
     このようにして、事業を通じて地域に、社会に貢献し続けてきた大倉工業グループのDNAをこれからも継承していきたいと考えています。

沿革

1947年7月
高松市において旧倉敷飛行機高松製作所の役員・従業員の一部をもって住宅業の「四国住宅株式会社」を設立
1951年11月
「四国実業株式会社」に社名変更
1955年11月
「大倉工業株式会社」に社名変更
1956年1月
丸亀工場(丸亀市港町)においてポリエチレンフィルム加工工場の操業を開始
1962年1月
大阪証券取引所市場第二部に上場
1962年4月
本社工場(丸亀市中津町)の操業を開始
1962年12月
丸亀第二工場(丸亀市昭和町)においてラワン合板の生産を開始
1964年6月
丸亀第三工場(丸亀市中津町)において化粧合板工場の操業を開始
1967年10月
埼玉工場(東松山市大字柏崎)の操業を開始
1968年2月
詫間工場(三豊市詫間町)において合板の生産を開始
1970年5月
東京・大阪両証券取引所市場第一部に上場
1971年3月
詫間工場においてパーティクルボード工場の操業を開始
1972年9月
本社を香川県丸亀市に移転
1977年5月
丸亀第四工場(丸亀市蓬莱町)の操業を開始
1987年4月
新規材料事業部とホテル事業部を新設
1992年1月
「オークラ情報システム」および「ユニオン・グラビア」を設立
丸亀第五工場(丸亀市蓬莱町)の操業を開始
1995年1月
「オークラパック香川」を設立
仲南工場(仲多度郡まんのう町)の操業を開始
1996年11月
オークラホテル丸亀及びオークラホテル高松を分社化し、(株)オークラホテル丸亀及び(株)オークラホテル高松を設立
1997年1月1日より営業を開始
2000年10月
新規材料事業部C棟(丸亀市中津町)の操業を開始
2003年4月
「オークラハウス」を設立
2004年9月
「九州オークラ」を設立
2005年8月
新規材料事業部D棟(丸亀市中津町)の操業を開始
2006年4月
「OKプロダクツ岡山」および「オークラプロダクツ香川」を設立
2007年1月
コーポレートセンターとR&Dセンターを新設
2007年7月
「関西オークラ」および「関東オークラ」を設立
2009年1月
「オークラプレカットシステム」を設立
2014年1月
新規材料事業部G棟(仲多度郡まんのう町)の操業を開始
2016年7月
「オークラプロダクツ」を設立
2019年1月
「埼玉オークラ」を設立
経営ビジョン「Next10」スタート
2022年1月
「KSオークラ」を設立
2022年2月
経営ビジョン「Next10(2030)」に改定
2023年5月
「OKURA VIETNAM CO., LTD. (オークラベトナム) 」を設立